伊庭 斉志 - 遺伝的プログラミング (情報科学セミナー 1996)

伊庭 斉志 - 遺伝的プログラミング (情報科学セミナー 1996)

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页数:275页

时间:2018-09-18

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1、情★報★科★学遣伝的プログラミング伊庭斉志著東京電機大学出版局R〈日本複写権センター委託出版物・特別扱い〉本書の無断複写は,著作権法上での例外を除き,禁じられています。本書は,日本複写権センター「出版物の複写利用規程」で定める特別許諾を必要とする出版物です。本書を複写される場合は,すでに日本複写権センターと包括契約をされている方も事前に日本複写権センター(03-3401-2382)の許諾を得てください。まえがき研究の客観性,理解,自然の連係の知識というものが,自然の驚異への喜びをそこなうなどと考えたとしたら

2、,これほどばかげたことはない.むしろその逆なのだ.自然について知れば知るほど,人間は自然の生きた事実に対してより深く,より永続的な感動をおぼえるようになる.(コンラート・ローレンツ著,日高敏隆訳:ソロモンの指輪,早川書房,1982)筆者が遺伝的プログラミング(の前身)を知り,興味を覚えたのは遺伝的アルゴリズム(GA)を知ってまもなくのこと,1990年頃であった.当時はまだ遺伝的プログラミング(GP)という用語は定着しておらず,構造的GA,木型表現のGAなどと呼ばれていた.人工知能を研究していた筆者には,「G

3、Aは最適化のみを目指している」と見ていたため(今はそうではない),GAがいささか飽きたらなく思えた.そこで,GAで知識表現,プログラム,概念木などを扱えないかと考えて,拡張を試みていたのである.ちょうどその頃,電総研の客員研究員として来られていたNASAのPhilip D. Laird氏に筆者の研究を話したところ,氏からスタンフォード大学のJohn Koza氏を紹介された. 1991年の正月休みにKozaのテクニカルレポートを読んだときの感動を今も覚えている.そのレポートは後にJohn Kozaの大著につな

4、がるものであった.John KozaをGPの創始者(KozaのGPと言う人もいる)とするには異論を唱えるむきがないこともない.GP的な発想はすでにGAの研究の当初からあったし,また,AIの分野でもGP的な発見学習手法はAMをはじめとしていくつか提案されている.ただし,Kozaが研究者間のネットワーク作りやFTPによるシステムの配布などでGPの研究発展の一翼をになったことはまちがいない.そして,現在ではGPはGAやEC(evolutionary computation)の中で一大勢力になりつつある.その中心の

5、1つはKoozaが教授をつとめるスタンフォード大学である.本書ではこうした背景をふまえて,GPの基礎から応用に至るまでを解説する.GPの特徴をまとめると,次のようになる.1.GPはプログラムを進化させるものである.2.GPによって,ロボットのプログラムや人工知能の問題解決・推論・学習のためのプログラムが進化的に(創発的に)自動生成される.3.GPはGAの考え方に基づいている.その違いは, GAが主に最適化を目指すのに対し,GPは記号処理的なプログラム生成を目的としている.ニューラルネットワークは数値的な処理

6、を行うのに対し,GPは記号的なプ4.ログラムによる処理を実現する.現在日本では,GAがある程度認知されたにもかかわらず, GPはまだ広く普及してはいない.これは欧米やヨーロッパのGA/GPの研究比率から考えると不思議なことである.その一因は,日本語による指導書があまりないことにあろう.また,GPの説明をするとよく聞かれるのは次のような質問・批判である.1.GPはLISPであり, LISPを知らないからできない.2.GPでなくては解けないものがあるのか?3.GPは探索効率が悪い.4.GPの理論はあるのか?これ

7、に対して,筆者は次のように答えることにしている.1.GPはLISPを知らなくとも十分使える.本書の第1部ではC言語による入門がある.その他の言語によるGPも入手可能である.2.プログラムの自動合成を大規模に行える手法は今のところGP以外にないと思われる.第2部の応用例を見れば,決してGPがオモチャ問題のみを扱っているのではないことが理解できよう.3.GPの探索能力向上のための拡張,並列化などが提案され,初期のGPに比べて能力は飛躍的に向上している.4.これは確かに問題である.しかしながら,GAの場合と同様に

8、,いくつかの理論的研究がなされつつある.本年はちょうどGP元年といってもよい.それはGPに関するはじめての国際会議(Genetic Programming 1996 Conference, GP96)がスタンフォード大学で開催されるからである.これにより,ますますGPの研究が進展することはもちろん,多くの人々がGPに関心を持ってもらえることを期待する.そのためにも本書によってGPへの読者の興味が喚起されれば幸いで

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