稻畑耕一郎：学问之根——怀松浦先生

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1、4ならない。しかし、今一つ、大ものがある。のを仰ぐ機會を永家をかしい仕事を殘された。それは、ひとえに、先生の人竝み優れたりであり、それは松浦先生の仕事がどれほど大きなものであったかは、數多くの殘された、と松浦友久先生は、中國古典詩歌究に新たな學問の根したも、學問の孤兒になったという思いに打ちひしがれている。あの究方法を打ち立て、これまでにない高みにまで推しに失ってしまったからである。去形で書かねばならないのは、あまりにも悲しい。受業生の多くは、すでに一外の松浦先生を偲ぶ究された後の先生を知るばかりの人にはほとんど意識されることの均

2、しく究の領域において、これまで余人のなし得なかった數々の輝質とそれにもめるところである。しての日々の詩を中心とした中國古典詩歌作の一つ一つに示されているめられた功績は、稻畑鑽があったからに他容に接し、指一大な5のても、國文學ののであるかを身をもって修得されていったものと思われる。方法論においても、實證の面においる。堤先生のことは、先生は吉た。中國文學への關心は、それ以とで、生が書かれ、確かアクセントの體系に關するものであったのではないかと思う。る。が、先生においてはである。より正確にいえば、先生の學問のスタイルは、文學部國文科（

3、今は日本文學專修ということを書いておこうと思う。先生を失ってから、昔のことを想い出すことも多くなった。なく、また三十數年も學問の根（稻畑）この學部・大學院を先生は、學部・大學院と、文學部の「國文科」にそれは、先生のお仕事が、早稻田大學の文學部の學問のあり方と深く關わっているということ究は、個別授が一年入學時の擔任であったことも、その査であったと、よく話されておられた。その後、大學院にに安な例を除けば、緻な古典の詩文を生「國文科」であった）において、その基盤が形作られたということであした早稻田國文でのから究のレベルからすれば、いかに

4、長い傳統があるとはいえ、中國詩歌生究された。陶を受けてきた私にしてさえ、體としては、當時はなお鑑賞や紹介やせいぜい批からおありだったようであるが、白樂天のの思いをもって、語られていたことを想い出す。『凌雲集』を始めとする敕撰三詩集がそのテーマであっ鑽によって、文學に轉をおかれた。學部の卒業論文は、國語學でする大きなきっかけであったようであ年は究というものがどのようなもんでからは、岡一男れてしまいがちであったき日の辻村究をされた堤留の域を出授のも樹先6か』などの後年出版された『リズムの美學日中詩歌論』缺な究する場合にも

5、、自國の文學や言語を深く究め、心から愛好していることが、何にもまして不可えたのが、自國の古典文學に對する理解の深さにあるということである。外國の文學や言語をつであった。詩見られ、物議をかもしたことがないわけではない。しかし、その氣いた。その空氣の中で育まれた先生にも、な生は國古典詩の領域には、まだまだ多くのぬものが多かった。先生は、中國文學のしかし、私がまた、當時の國文科には、國語學や國文學中國詩文論叢第二十一集究を牽引してきたことも一點が打ち出されていく。件であるという事實を、私たちは先生の仕事の中に見ることができる。々と論文を發表される

6、ことになるが、そのどれにも目を見張るばかりの明晰な論理と斬新果に體したいのは、そうした究の第一線で、きびしいトレーニングを重ねられた先生の目からすれば、中に示されているといえば、あるいはわかりやすいだろうか。しかし、そ究であるの事實であり、この『中國詩文論叢』の刊行も、その實踐の一の一大勢力であった官學のに、自國の古典の愛好究の余地があると見えたにき日の氣き日の『作には、時として、その氣負った集という名の雙關語』のことばかりではなく、先生のであり、理解威に對抗せんとする氣風が滿ちてが、今日の早大中文の古典いない。

7、實際、その後、先『であった。それは、詩美の在り究を支が垣7わることとなった。まことに惜しまれることであり、日本の文學くのれず、それ故に見ないのではならないかと、私は考えている。い理解と洞察があった。先生の中國古典詩れのみならず、學問の根（稻畑）今は、ただただ、先生のご冥先生はそういう立場から、中國文學を體な究に貢獻されんとしていたのであるが、その部分は、先生の果をあげられた。そして、さらにその實踐をき日に書かれたされがちであったこと、しかしそれが本質を心からお作にも、そうとは見えぬ形で、自國の文學や言語に對する深究し、本國人の

8、究の本質を理解する上で、そのことをりするばかりである。「天の之に年を假さざる」を憾むしかない。究して、やや閉塞感がな