全国総合開発計画とは何であったのか.(前編)

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1、18土地総合研究2011年春号【寄稿】全国総合開発計画とは何であったのか。【前編】国土交通省半島振興室小山陽一郎「全総」とは、国土総合開発法に基づき策定さ政府が策定する計画等は数多いが、その対象とれた全国総合開発計画の略称(愛称？)である。愛する領域が「国土の利用、開発及び保全」と広汎称が約半世紀の長きにわたり、これ程一般的に通に及び、関係する主体も多いことから、全国総合用した政府の計画は稀であろう。全総は、様々な開発計画は、一全総(1962年)以来、経済計画とと批判の対象とされてきたが、「好き」の反対は「嫌もに政府の統一した意志を表現する上位計画とし2い」ではなく「無関

2、心」である。多くの批判の存て大きな役割を果たしてきた。在自体が、全総が人々に愛され、また、大きな役第３節に示す通り、これまで全国総合開発計画割を果たしてきたことの現れでもあろう。国土総がどのようなものであるかについては様々に表現合開発法が2005年に抜本的に改正され国土形成されてきた。そして、第２節に示すように、全国計画法となり、1950年の同法制定に始まる全国総総合開発計画に対し様々な批判が行われてきたが、3合開発計画の歴史には一応の区切りがついた。本これらは上位計画として国土計画の果たすべき稿は、今号と次号の２回に分け、この55年間にお役割自体についての認識が、それぞ

3、れ異なることける全総（≒国土計画）の位置付けの変化及び果によるものと思われる。たしてきた役割等について考察する。これは、「経営戦略」は企業経営にとって重要なものであるものの、その具体的な意味、機能につ2第１章はじめに矢田（1999pp.4-5）は「政府の統一した意思を表現する上位計画として、公共投資基本計画、経済計画、全国総合開発計画、国土利用計画の４計画」を挙げる。公第１節本稿の背景と方法共投資基本計画は1990年の日米構造協議をきっかけに策定され、現在は廃止されている。また、国土利用計画社会経済情勢の変化に適切に対応するため、国は1973年の国土総合開発法案が廃案にな

4、る際に導入さ土総合開発計画の名称を国土形成計画に改め、計れたものであり、今回の法律改正で国土形成計画との一画事項の拡充、広域地方計画の創設等を行う「総体性が強調されている。以上より、本稿では経済計画及び全国総合開発計画を政府の意思を表現する上位計画合的な国土の形成を図るための国土総合開発法等（＝経営戦略）の２本の主柱として捉えた。なお、環境の一部を改正する等の法律」が2005年７月に成立基本計画については、対象領域が比較的狭く、また、歴史も浅いため、現状では上記２計画とやや位置付けが異した。本法に対する新聞等の論調は、「全総廃止、なるものと判断した。開発行政の終焉」、「地

5、方主導で国づくり」1等概ね3国土計画とは、国土利用計画（特に全国計画）、国土総合開発計画（特に全総）を中心として、首都圏整備計好意的であった。画等の大都市圏計画等を含む広範な概念であり、明確な定義は存在しないが、本稿では全総を国土計画と呼ぶこ12005.1.25朝日新聞、2005.2.6新潟日報等ととする。土地総合研究2011年春号19いての考え方は論者により異なり、その概念が混っかけとして、社会情勢等の諸要因の影響を受け【寄稿】乱している（加護野、1996)ことと類似する。こつつ実際に実施された（国土）政策が、後者の「行うした概念の混乱の中で、加護野（1996）は、経動

6、のパターンとしての戦略」に該当するというこ営戦略の多様な概念の多くにみられる次の共通項とがでよう。言い換えると、国土計画は長期的、を指摘する。広域的な計画であるが故に不確定性を除去するこ全国総合開発計画とは何であったのか。【前編】6①企業の将来の方向あるいはあり方に一定の指とはできないものであり、各主体の行動が相互に針を与える構想作用し積み重なり、国土計画とともに新たな国土②企業と環境との関わり方（環境適応のパターの態様を形成していくのである7。ン）に関するもの第２節に示す全国総合開発計画に対する批判は、国土交通省半島振興室③意思決定の指針あるいは決定ルールの役割その性格

7、・機能に対する誤解によるものが多いと小山陽一郎思われる。すなわち、上述のとおり全国総合開発そして、経営戦略を「企業と環境とのかかわり計画の性格は「構想としての戦略」と考えるのが「全総」とは、国土総合開発法に基づき策定さ政府が策定する計画等は数多いが、その対象と方を将来志向的に示す構想であり、企業内の意思適当であり、山田（2002）が述べるように、構想れた全国総合開発計画の略称(愛称？)である。愛する領域が「国土の利用、開発及び保全」と広汎4決定の指針となるもの。」と定義し、それが、どとしての戦略は、それ自体で評価されるべきもの