冠状病毒Coronavirusl论文-2004 Study on the Stability of SARS Coronavirus.pdf

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1、991SARSコロナウイルスの安定性の検討国立感染症研究所獣医科学部(*現所属:エイズ研究センター)棚林清巽正志*藤田修宇田晶彦山田章雄(平成16年8月6日受付)(平成16年9月6日受理)Keywords:SARS,coronavirus,stability〔感染症誌78:991~992,2004〕序文Fig.1StabilityofSARS-CoV.重症急性呼吸器症候群(SARS)は2002年11月に中国広東省において出現し,2003年7月までに29カ国で8,000以上の症例が報告された.原因病原体として新規コロナウイルス(SAR

2、Sコロナウイルス,SARS-CoV)が分離され,感染経路は,患者との密接な接触での気道分泌物飛沫の暴露によるとされている.しかし,不明な例もありウイルスを含む排泄物で汚染された環境からの感染も考慮する必要がある1).本研究では,感染性ウイル(a)スの環境中での安定性を明らかにすることを目的にした.材料と方法SARS-CoV(HKU39849株)は,香港大学Peiris博士より国立感染症研究所に分与されたもので,VeroE6細胞にてウイルス液を調製した.ウイルスを細胞培養液中またはプラスチック片に塗布風乾後,冷蔵(4℃)および室温(2

3、0℃)に保存し,(b)残存する感染価をVeroE6細胞にて測定した.一部の検体については,SARS-CoVのN遺伝子をターゲットにしたリアルタイムPCRにより遺伝子検出を行った.比較のために,マウス肝炎ウイ別刷請求先:(〒162-8640)東京都新宿区戸山1-23-1国立感染症研究所獣医科学部棚林清平成16年11月20日992棚林清他ルス(MHV,JHM株)およびブタ伝染性胃腸炎ウや食品などを含め適切な二次感染防止対策が必要イルス(TGEV,f5株)についても同様に生残性をであることを支持している.測定した.謝辞:MHVおよびTGE

4、Vを分与いただいた国立感染成績と考察症研究所動物管理室山田靖子博士,バイオセーフティ管細胞培養液中のSARS-CoVは,冷蔵での感染価理室高木博隆氏,並びに国立感染症研究所SARS研究グの低下はわずかで,室温では徐々に低下し21日でループの各位に感謝致します.本研究は厚生労働科学研究は検出限界以下となった.TGEVはSARS-CoV費補助金により実施された.とほぼ同等の安定性を示し,MHVはやや低い傾文献向にあった(Fig.1a).同じコロナウイルスに分類1)WHO:Consensusdocumentontheepidemiol-さ

5、れるウイルス間でも異なる安定性を示すことがogyofsevereacuterespiratorysyndrome(SARS).http://www.who.int/csr/sars/en/示された.プラスチック表面では,冷蔵で21日まWHOconsensus.pdf:17October2003.でに約100分の1となり,室温保存では14日まで2)RabenauHF,CinatlJ,MorgensternB,BauerG,に検出限界以下となった(Fig.1b).ウイルスRNAPreiserW,DoerrHW:Stabilityandi

6、nactivationofSARScoronavirus.MedMicrobiolImmunolは感染価の測定できない検体でも検出された.2004;online29April2004.SARS-CoVの室温での安定性の結果はRabenau3)DuanSM,ZhaoXS,WenRF,HuangJJ,PiGH,ら2)の報告と同等であった.定性的ではあるがZhangSX,etal.:StabilityofSARScoronavirusDuanら3)も本ウイルスがヒト検体や環境中で比inhumanspecimensandenvironmen

7、tanditssensitivitytoheatingandUVirradiation.Biomed較的強い生残性を示すことを報告している.EnvironSci2003;16:246-55.SARS-CoVが比較的長期に感染性を保持しうることは,患者材料や汚染された可能性のある環境StudyontheStabilityofSARSCoronavirusKiyoshiTANABAYASHI,MasashiTATSUMI*,OsamuFUJITA,AkihikoUDA&AkioYAMADADepartmentofVeterinarySc

8、ience,NationalInstituteofInfectiousDiseases(*Present:AIDSResearchCenter,NIID)感染症学雑誌第78巻第11号

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