手术病状説明书-学校法人日本医科大学法人本部

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1、手術・病状説明書（ロボット支援腹腔鏡下根治的前立腺摘除術）病状の説明については腹腔鏡下根治的前立腺摘除術の説明書に準じてご説明いたします。病期分類、再発の可能性、術後のPSAの検査値の見方、などに関しては開腹、腹腔鏡などの術式の違いはありません。ポートの部位、個数、気腹される部位、寝ている姿勢の角度にわずかな差異がありますが、ダ・ヴィンチ手術システムという機器を用いるほかは従来の腹腔鏡とほぼ同様の手術です。ここでは腹腔鏡のうちダ・ヴィンチ手術システムを用いた前立腺摘出手術に関した部分をお話いたします。【前立腺癌手術における

2、ロボット支援手術】今日さまざまな泌尿器外科手術手技において、従来の開腹手術から内視鏡下での低侵襲手術へと変換されつつあります。内視鏡下による低侵襲手術の利点には、より早い術後の回復および経口摂取、より短い入院期間、術後疼痛の軽減、美容上の美しさ、そして医療費用の削減などが挙げられます。手術支援ロボットはストレスの少ない、より複雑で細やかな手術手技を可能としており、また3次元による正確な画像情報を取得できるため、より安全かつ侵襲の少ない手術が可能となります。ロボット支援手術は、今までの内視鏡下手術の利点をさらに向上させうる、

3、次世代の医療改革の一端を担った分野であります。この手術支援ロボットは、欧米を中心にすでに医療用具として認可され、1997年より臨床応用され、欧米、韓国などで前立腺癌に対する根治的前立腺摘除術のおおよそ70％が本ロボット支援手術で施行されている現状です。日本における手術支援ロボットは、2010年時点では数台のみしか稼動していませんでしたが、2011年から徐々に導入する施設が増加し、現在50台前後が稼動中です。手術支援ロボット“daVinciSSurgicalSystem（ダ・ヴィンチS手術システム）（IntuitiveSur

4、gical,inc.）”は、繊細で正確に作動する鉗子・鮮明な3次元画像を有した優れた手術支援システムです。本邦においても、平成24年4月からは保険診療として認可されました。平成25年12月に日本医科大学付属病院も本機器を導入し、平成26年1月から前立腺癌に対するロボット支援腹腔鏡下根治的前立腺全摘除術を開始しております。なお、ロボット手術支援腹腔鏡下根治的前立腺摘除術は、腹腔鏡下根治的前立腺摘除術をロボット支援下に行うものですが、従来の腹腔鏡下手術に比べてより繊細で、正確な手術を行うことができ、根治性、尿禁制（尿失禁がない

5、状態）を含む機能温存においてより優れていると考えられています。手技的には、腹腔鏡手術と類似の操作をロボット支援下に行うものですが、日本医科大学附属病院泌尿器科は、平成12年より腹腔鏡下根治的前立腺摘除術を始め、今までに約500例以上の経験を有し、現在でも従来の腹腔鏡手術も継続して行っています。腹腔鏡手術は一般に難易度が高い術式ですので、現在認定施設、認定医師の常勤する施設で行われるものですが、認定制度そのものが法的拘束力を持つものではないため、認定がなくとも手術を行うことは可能です。しかし、ある程度の経験がないと、手術解剖

6、の理解、危険回避など瞬時の判断ができない場合があります。日本医科大学付属病院泌尿器科では腹腔鏡手術認定医師が3名常駐しており、認定医師がロボット手術の手術操作を担当します。前立腺腹腔鏡手術の経験を生かして新世代のロボット手術の利点を生かした手術を心がけています。当然少ないですが一定の確率で術式変更（ロボット手術⇒手動の腹腔鏡、ロボット手術⇒開腹手術）の可能性があります。内視鏡手術が可能で手術機器に不具合がある場合は手動の腹腔鏡手術への変更が行われます。また、内視鏡操作では視野が不良である、気腹（炭酸ガスの使用）や手術の姿勢

7、（頭を若干下げて手術を行う）が身体に影響して手術遂行が難しくなるなどの場合は開腹手術へ変更します。手術治療、術式の同意は、あなたの自由意思で決めてください。また、患者の意思で事前に術式変更の申し出をしても不利益を受けることはありません。この手術は本邦ではまだ新しい治療であり、個人が特定されない手術成績（出血量、手術時間、使用した道具、入院経過、術後経過、治療効果）など、施設ごとの成績をまとめて学会発表や論文などで公表されることがありますのでご了解ください。【手術方法】1)ロボット支援腹腔鏡下根治的前立腺全摘除術とは・限局性

8、前立腺がんに対する手術です。前立腺と精嚢の摘除、尿道と膀胱を吻合するもので、早期の前立腺がんに対する有効性が確立された治療方法の１つです。開腹手術（恥骨後式前立腺全摘除術）に比して、傷が小さく痛みが軽度で、手術後の回復が早い、手術中の出血量が少ないなどの利点があります。がんの治療実績は従来の手術と同等で